プロが手がけた相棒たち

2022年10月15日

1989年 Fender Precision Bass ’57model

先日(2017年5月)、原宿のリペアプロショップ「松下工房」さんの「Premium Used Guitars」で販売されているベースを購入しました。

[スペック]
製造年/色:1989年 2トーン・サンバースト
シリアルナンバー:V041422
製造国:U.S.A.
ボディ構造:ソリッド コンタードカット
ボディ材:アルダー
ネックジョイント:ボルト・オン(デ・タッチャブル)
スケール:ロングスケール 34インチ
指板/ネック:メイプル1ピース
ピック・アップ:オリジナル・スプリットタイプ
セレクター:無し
ブリッジ:プレスタイプ スパイラルサドル×4
糸巻き:オリジナル・クルーソンタイプ
ピックガード:アナダイズド(アルマイト加工)アルミ製
コントロール:1ボリューム 1トーン
パーツ・コーティング:ニッケル仕上げ、クローム仕上げ

引用:Premium Used Guitars 商品ページより

ギターは新品、中古を含め、昔からちょくちょく買っていたのですが、ベースを買ったのは生まれて初めてです。

このベースは1989年製で、製造後28年のものを松下工房さんでレストアされています。28年経ったベースをレストアし、2年保証をつけて販売するというプロ意識には、ほんと脱帽です。
私も過去にオークションなどで古いギターを買って、綺麗に磨いて楽しんでいた時期がありましたが、技術が追いつかずレストアまでには至らず、電装系の交換程度しかしたことがありません。
初めて松下工房さんに中古で買ったアコギを調整して貰いに伺った時、レストアされて壁に飾ってあった黒のストラトと、このプレベを見て「やはりプロが手をかけた楽器は違うな」と思いました。

プロの職人の手で仕上げられ、新品では味わえない特別なオーラを纏うアイテムを見つけてしまうと、所有欲は増える一方で収まるはずもなく・・・結局1993~1994年製の黒のストラトと、1989年製のプレベを購入させていただきました。

私はベースは弾けませんが、ベースという楽器は純粋に楽しいです。コードのルート音だけを鳴らしているだけでも時間を忘れてしまいます。
そして、ベースには色々な種類があるのですが、私が一番トキメいたベーシストがアイアンメイデンのステーヴ・ハリスなので、もし買うならプレベかな~とずっと思っていました。


今はまだ指弾きではこの速さに全くついていけません。

本当は今年(2020年)の5月19日にぴあアリーナMMで予定されていたアイアンメイデンのライブに行くためにチケット取っていたんですが、コロナのせいで公演中止になってしまいました

DIY:ベース編(PU交換1)

エレキベースとしての音に関しては、最初からとても良い音が出ており、長い年月を経た今の音を楽しむのもいいなーとも思い手を入れるべきか葛藤しましたが、プレベの甘くて太い低音をもっと楽しみたいという欲が勝り、電装系の見直しをすることにしました。
用意した電装系部品は、ピックアップに60年代のサウンドを狙ったSEYMOUR DUNCAN / ANTIQUITY II P-BASS、電装系はMontreuxのMontreux PB wiring kitです。

ピックアップにはレリック加工されたハイトアジャスターや錆びたネジまで入っているほどの拘りようでした。・・・が、ネジの山まで錆びているので取り付ける時はナメないよう細心の注意が必要です。そこはサビてなくてもいいんですけどね

今回のDIYで一番いい仕事をしてくれたのは、ハンダゴテです。このHAKOのFX600というのはとっても使いやすくていい仕事してくれます☆

音出ししてみると・・・一音一音のキレと低音の迫力が上がり元気な音が出るようになり、より気持ちよく弾けるようになりました♪
今回は、ピックガードをそのまま使いたかったので、元の電装系とピックアップは、あとで元に戻せるよう慎重に取り外して保管しています。

DIY:ベース編(PU交換2)

ダンカンのピックアップはかなりいい音で後ろ髪を引かれましたが、F.C.G.R.のPB Vintageがどんな音か気になって仕方無かったので思い切って交換しました。

こちらにはハイトアジャスターは付いていないので新しいものに変えました。


ピックアップを比べると・・・

左(F.C.G.R. PB Vintage)
中(SEYMOUR DUNCAN ANTIQUITY II P-BASS)
右(fender純正品)

純正ピックアップはポールピースの高さが違います。スタッガードポールピースというやつですね。

 

新しいピックアップを取り付けて、カバーをしようとしたら・・・キツい(・・;)

カバーを比べると・・・

結構サイズが違います。純正が一番小さく、F.C.G.R.のものが一番大きいです。

なんとか収まりましたが、アナダイズド・ピックガードだとキツい感じでした。

音は、ダンカンのものより太く腰がある。弾いていて気持ち良くなる音でした。

・・・といいつつ、アルダーの重さに耐えきれず、軽いアクティブな5弦に手を出しました(;’∀’)

Ibanez SR805 Aged Whiskey Burst

標題から大きく離れていきますが・・・

生産完了という事でセール価格になっているのをネットで見つけたので、お店に見に行って即買いしましたが、これはかなり軽く、ネックは薄く、普通のベースと比べると弦間ピッチが狭いです。(今のSRシリーズもそうなのかな?)

ピックアップはBartolini®社MK1というのが乗っていて、プリアンプのバランスも良く音が作りやすいです。

 

 

しかし残念ながらこの個体は、1弦12フレットにデッドポイントがあり、音が途中で詰まる感じでした。

DIY:ベース編(デッドポイント対策)

1弦12フレット辺りは、結構いい感じで弾きたい場所なので、何とかならないかなーと色々試した結果、ヘッドを壁に当てて弾くと解消するという事が判明しました。

その状態を維持するためには・・・Swing Chip。コレか!?

色々貼り替えて試しましたがこれでは解決しませんでした。

結局解決したのはこちら。

クリップチューナーをペグに当てる。

一石二鳥なので、unituneを使っていますが、同じ要領で何かを挟めば解消するような気もします。

この個体については、偶然にもこの方法で解消しましたが、デッドポイントは複雑な条件下で発生すると思いますので、一例として、参考になれば・・・と思います。

 

2020年11月11日 ベースの日

ベースの日という事で、一つ目のピックアップ交換以来更新が止まっていたブログを更新しつつ、プレべを出して弾いてみました。やっぱ。プレべはカッコいいなー。弾けるようになりたいなー。と言いつつあっという間に3年過ぎてしまいました

・・・が、湿度の高い私の家で無事に31年目を迎える事ができました

1993~94年 Fender Stratocaster ’57model

最初に松下工房さんで購入させて頂いたのはこちらのギターです。

[スペック]
製造年/色:1993~1994年 ブラック
シリアルナンバー:V069934
製造国:U.S.A.
ボディ構造:ソリッド コンタードカット
ボディ材:アルダー
ネックジョイント:ボルト・オン(デ・タッチャブル)
スケール:ロングスケール 25.5インチ
指板/ネック:メイプル1ピース
ピック・アップ:オリジナルx3
セレクター:3way
ブリッジ:アーリー・フェンダー6way、フルアジャスタブル、シンクロナイズド・トレモロ
糸巻き:オリジナル・クルーソンタイプ
ピックガード:エイジド白 1P 8点止め
コントロール:1ボリューム 2トーン
パーツ・コーティング:ニッケル仕上げ、クローム仕上げ

引用:Premium Used Guitars 商品ページより

こちらも1993~1994年製で、製造後23~24年経ったストラトをレストアされています。ベースと同じく2年保証をつけての販売です。57モデルのピックアップセレクターは3wayですが、5wayに変更していただきました。

私は元々、ハードロックが好きで、ブランクもあるので、今かろうじて覚えているのは全部ハードロックの曲ばかりです。ハードロックと言えば、ピックアップにはパワーのあるハムバッキングタイプが多いので、このストラトのように(フェンダー純正の)シングルコイルが3つついているギターを購入したのはこれが初めてです。

ピックアップも・・・ですが、それよりも今まで持っていたギターと異なるのは指板のRです。57年モデルは184R(7.25 inch)で指板がかまぼこのように丸くなっています。逆にハードロックでよく使われているギター(レスポールとかもそうですが)は指板はほぼフラットです。これは私の今までのスタイルとは全く違うもので最初はかなり違和感を感じました。

シングルコイルのストラトを使うミュージシャンと言えば、大御所のジェフ・ベックとか、エリック・クラプトンですかね。


ストラトと言えば、リッチー・ブラックモアとかイングヴェイ・マルムスティーンも代表的で、過去にはレプリカモデルも買いましたが、ネックがスキャロップドされてたり、パワーのあるピックアップが乗っていたりするので今回のストラトとはちょっと毛色が違いますね。

 

DIY:ギター編

ストラトの方は、残念ながら経年劣化からと思われるノイズが大きかったので、ひきこもりプレイヤーとしてはこのノイズは死活問題ですので対策してみました。
ストラト自体がノイズの事なんて考えて作られたギターではないので、ストラト本来のノイズは味として、ピックアップと電装系を見直しました。

今回選んだのは、松下工房さんがレストアされた際に作成されたピックガード、純正ピックアップとポッドは貴重なのでそのまま温存できるよう、エイジド加工されたピックガードにピックアップと電装系パーツが組み込まれている
Montreux 1956 Panel Assemblyというアッセンブリタイプのものに交換しました。
ピックアップは、1956 The 50’s というオリジナル品で、「初期のエリック・クラプトンが聞かせてくれた枯れたシングルコイルのイメージを、U.S.A. madeのフォームヴァー・ワイヤーで再現してみました。」というコンセプトで作られたもののようです。
(初期のクラプトンというのが、どの辺りのものを指されているのかが不明ですが、個人的にはとても気に入ってます)
左がオリジナル、右が1956 Panel Assemblyです。

ピックガード、ピックアップカバー、コントロールノブたちはエイジド加工がされています。

これまで色々なギターを買っては売り・・・となかなか相性の合うものには出会えませんでしたが、松下工房さんで見つけた2本と、渋谷で見つけたエレガットは「やっと出逢えたお気に入り」です。永く大切に使っていきたいと思います。

written by ふぉろん